音が聞こえるまでに起こる現象とは?

音は感じ取るものであり、聞こえ方には個人差が生じます。
さらには、聞こえたものと実際の起こっている現象が大きく異なっている場合も十分に考えられます。
では、物理現象としての音が私たちの耳に届いて「聞こえる」までどのような現象が起こっているのか、環境スペースのスタッフが簡単に解説していきましょう。


■物理現象での認識

音自体は空気の振動であり、物理現象として計測することが可能です。
物理現象であることから、騒音計などで測定できるんですよ。
音は通常、Hz(ヘルツ)という周波数の単位で表されたり、dB(デシベル)といった音圧での単位で客観的に表されたりします。


■身体での認識

音は空気の振動で鳴ります。
その空気の振動が人間の耳に届き、鼓膜を振動させることで音を認識できるようになっているのです。
耳は非常に複雑な構造となっており、その結果神経信号に変換され、脳で音を処理しています。
物理的に生じた音を脳で処理するために、耳が神経信号に変換する役割を担っているわけです。


■精神面での認識

耳が音を神経信号として変換し脳に認識させていますが、どのような情報処理が脳でなされているかという点など未だに解明できていないことが多いです。
空気中の振動から意味のある音として認識されるまで、これらの経過をたどらなければなりません。
何気なく音が聞こえている状態であっても、これらのプロセスは必ず経過しているのです。


■音を選び取っているカクテルパーティー効果とは

音を聞く際には、身体的な認識が最も重要なのではないかと思われるかもしれませんが、実は精神面での認識が非常に大きな割合を占めています。
これは、カクテルパーティー効果とも呼ばれています。
例えば、多くの人がざわついているパーティー会場などでも隣にいる人とは普通に会話することができますし、耳を澄ませば少し遠くにいる人の話し声も聞くことができます。
こういった現象をカクテルパーティー効果と言います。
同じ状況を録音していた場合、誰が何を話しているのかわからないでしょう。
しかし、聞きたい音だけを選び取れる状態になっているのは、耳から得られる音を脳が処理する前に選別処理を行っているものだとされています。


「この人の音を聞きたい」と無意識にでも思っていれば、それだけを選び取る能力が備わっているとも言えます。
このことから環境スペースのスタッフは、人は身体的だけでなく精神的に「音を聞く」ことができるのだと感じました。