指や首の関節の「ポキポキ」、どこからくる音?

手持ち無沙汰な時や考え事をしている時など、無意識に「ポキポキ…」と指の関節を鳴らすクセがある人も少なくないでしょう。
マンガやアニメではケンカ前の準備運動のように描かれることもあり、特殊なクセというわけではありませんが、なぜ音が鳴るのか、その仕組みはあまり知られていません。
そこで今回は、関節が鳴る仕組みや体への影響について環境スペースが解説します。


■関節が鳴る仕組みとは?

結論から言えば、指の関節から鳴るポキポキ音は関節の中にある気泡が弾けた音です。
「関節の中に気泡…?」と疑問を持つ人も多いかと思いますが、関節は大まかに4層からなっています。
内側から順にみていきましょう。

・1層目…骨を覆う関節軟骨
・2層目…動きを滑らかにする滑液
・3層目…滑液を分泌し吸収する滑膜
・4層目…関節を包む関節包

4層のうち2層目に当たる滑液は、関節が急激に動くと圧力が低下し、ガスが発生します。
この状態で一気に曲げたり引っ張ったりするとガスの気泡が弾けて音が鳴るのです。
弾けたガスは数十分かけて滑液に溶け込み、元に戻ります。
一度関節を鳴らすとしばらく音が出ないのは、ガスの“溶け込み待ち”だからです。


■関節は鳴らしても大丈夫なの?

音が鳴る仕組みはわかったものの、そもそも関節を鳴らしても問題ないのでしょうか?
特に鳴らそうと思わずになってしまった場合は、気にする必要はありません。
しかし、指の関節のように意図的に鳴らす場合は注意が必要です。
気泡が弾ける時の衝撃がかなり大きいため、頻繁に鳴らしていると関節に負荷がかかり、痛めてしまうおそれがあります。
具体的には、関節が硬くなってしまう、逆に緩くなってしまうといった捻挫のような症状が起こり、関節の変形リスクが高くなります。


■首の「ポキポキ」には要注意!

首の関節を鳴らすクセのある人も多いですが、これは注意が必要です。
首には脳へつながる神経がいくつも通っており、関節を鳴らす動作で圧迫されるおそれがあります。
神経は刺激を受けるとダメージが残りやすいため、首の関節を鳴らすクセのある人は控えた方がいいでしょう。
「関節を鳴らすと頭がスッキリする」「肩こりが軽減された気がする」と好んで鳴らしている人も見かけますが、科学的な実証はされていません。

 


ついつい鳴らしてしまう指の関節ですが、実は関節内にある気泡が弾ける音でした。
すぐに何かしらの影響が出ることはありませんが、首の関節については大きなリスクをともなうので控えた方がいいと環境スペースは考えます。