ちゃんと歌える?ひな祭りの定番ソングに込められた深い意味とは

ひな祭りの定番ソングとして日本で親しまれているのが「うれしいひなまつり」という曲です。
幼稚園や保育園などで歌うことも多く、「タイトルは知らないけど曲は知ってる」「歌詞までしっかり覚えてる」という人も多いのではないでしょうか?
実はこの曲、簡単なようでとても意味深いものだったんです。
歌詞の意味や曲にまつわるエピソードについて環境スペースが解説しましょう。


■「うれしいひなまつり」ってどんな歌?

ではまず、「うれしいひなまつり」の1番と2番の歌詞をみていきましょう。

【1番】
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひなまつり

【2番】
お内裏様と おひな様
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした 姉様に
よく似た官女の 白い顔

1番の歌詞に出てくる「ぼんぼり」とは、男雛と女雛の両脇に飾られている明かりのことです。
「お花」とは、桃の花を意味しており、ひな飾りの定番アイテムになっています。
こうしてみると、1番はひな飾り全体の様子を歌っていることがわかりますね。
2番では飾られている人形についての描写が続きます。
歌詞では「お内裏様」は男雛を、「おひな様」は女雛を指していますが、後にこれは正しい名称ではないと作者が訂正しています。
「お内裏様」とは本来、男雛女雛の二人をまとめて呼ぶ言葉で、「おひな様」とはひな飾り全体を表す言葉です。
また、「お嫁にいらした」についても、「お嫁に来た」ではなく「お嫁に行ってしまった」という解釈が正しいようですね。
白いお化粧をした官女の人形の顔が、嫁いでいった自分のお姉さんの顔に見えてしまった・・・という少ししんみりした内容になっています。


■「うれしいひなまつり」は4番まである

ひな祭りの定番ソングである「うれしいひなまつり」は、街中で流れていたり幼稚園などで歌ったりするのは2番目までであることが多いです。
しかし、本来は4番まで歌詞が存在することをご存じでしたか?
1~3番は、ひな飾りの様子を描写した歌詞が続きますが、最後の4番では晴れ着に着替えてひな祭りの準備をする女の子にスポットを当てています。


■ひな飾りはどういった場面なの?

「うれしいひなまつり」の曲中では触れられていませんが、ひな飾りは宮中の嫁入りの様子を表しているそうです。
そのため、タンスや鏡台、お茶道具や裁縫箱といった嫁入り道具や、嫁ぎ先へ乗っていくための牛車もあります。
今の披露宴にあたる会食の場で振る舞われるお膳も並んでおり、とても華やかだったことがわかりますね。


これまで何気なく口ずさんでいたひな祭りソングにも深い意味が込められていました。
これからは華やかな宮中の嫁入りを思い浮かべてみてくださいね。