日本がシェア9割を誇るオルゴール!その起源とは

ゆっくりとした優しい音色が特徴のオルゴールは、作業BGMや子どもの寝かしつけにも活躍するほど私たちの生活になじんでいます。
オルゴールの内部を見てみると、ゼンマイ仕掛けのピンが金属製の板を弾くような動きをしていることがわかります。
一体どうやってこのようなものが生まれたのか、環境スペースが起源や歴史を解説しましょう。


■オルゴールの起源は「カリヨン」

優しい音色を奏でるオルゴールは、いつごろ誕生したのでしょうか?
歴史を辿るとその起源は「カリヨン」であることがわかります。
カリヨンとは、回転によって動くハンマーが異なる音を出す鐘を叩くことでメロディーを奏でるからくりです。
15世紀末ごろにはすでに登場していたようです。
最初は時間を知らせる時報のような役割でしかありませんでしたが、調律により簡単なメロディーを演奏できるようになっていきました。
今でもヨーロッパには多くのカリヨンがありますが、時代の流れの中で一度途絶えてしまったそうです。


■シリンダーオルゴールの登場

ハンマーで鐘を叩くという方法から、薄い鋼鉄の板を弾くという現代の方法に変わったのは18世紀です。
これがいわゆる「シリンダーオルゴール」であり、発明したのはスイスの時計職人といわれています。
シリンダータイプのオルゴールはヨーロッパの貴族に愛され、様々なデザインで作られました。
ところが20世紀に入り、蓄音機が発明されると次第にその座を追われるようになります。
このまま消えてしまうかに思えたオルゴールですが、優しい独特な音色は21世紀の今でも人々に愛されていますね。


■日本でのオルゴールの歴史

日本で初めてオルゴールが登場したのは、江戸時代といわれています。
当時鎖国中だった日本に、オランダ人が持ち込んだのが最初だそうです。
オルゴールを見た日本人は、その造りの細かさと音色にとても興味を持ち、やがて国産のオルゴールを作るようになりました。
現在、世界のオルゴールの9割は日本製です。
モノづくりを得意とし、手先が器用な国民性に合っていたのでしょう。
実は「オルゴール」という呼び方は日本独自のもので、語源はドイツ語の「Orgel(オルゲル)」からきているとされています。
オランダから持ち込まれた際はオルゲルと呼ばれていたものが、次第にオルゴールとなったのではと推測できますね。

 

今ではシェアの9割を日本が占めているオルゴール市場ですが、始まりはヨーロッパの時報の鐘でした。
緻密な計算のもとに奏でられる小さなオルゴールには、長い歴史と職人たちの技術が詰め込まれていることがうかがえます。