猫の鳴き声は人間とかかわりがあった?

同じ猫でも柄が違うように、鳴き方や鳴く頻度が違います。
猫の鳴き声にはどんな秘密があるのか、環境スペースが解説しましょう。


■猫が鳴くのは何か要求があるから

猫の鳴き声といえば「にゃー」や「にゃーん」ですね。
海外でも「meow(みゃお)」「mew(みゅー)」といった鳴き声が一般的です。
でも実はこれ、飼い猫しか発しない声だって知っていましたか?
飼い主に対して要求を伝えるためだけに、飼い猫は鳴き声を発するようになったそうです。
それはなぜか、答えは嗅覚の違いにありました。

・猫はニオイによってコミュニケーションを取る動物
人間より遥かに優れた嗅覚を持つ猫は、互いが発するニオイによってコミュニケーションを取っていました。
いわゆるマーキングです。
「ここは自分の縄張りだよ」「勝手に入ってこないで」といくら主張しても人間には通じません。
そこで身に付けたのが鳴き声だったわけです。
驚くべき進化ですが、多くの人間は猫のかわいらしい鳴き声に夢中になり、甲斐甲斐しくお世話をしているのですから、猫としては大成功といえるでしょう。

・要求には様々なものがある
要求と聞くとネガティブなものを想像しがちですが、実際は楽しいものも多いです。
猫が鳴くことで要求してくるものとは、

◎お腹空いた
◎他のフードがいい
◎トイレしたよ
◎ベッドを整えて
◎これが邪魔
◎ヒーターをつけて
◎遊んで
◎なでて
◎話を聞いて

このようなことが多いです。
なかにはもっと細かく要求をしてくる猫もいて、飼い主は仕草や動きから正解を導き出さなくてはなりません。


■野良猫は鳴く習慣がない?

猫は進化によって鳴き声を手に入れましたが、ニオイでコミュニケーションが取れるはずの野良猫も鳴きます。
野良猫が多く暮らす地域などでは、観光客相手に愛想よく鳴いている姿を見かけますね。
しかし、やはり鳴くのは人間に対してだけで、猫同士では滅多に鳴くことはないようです。
「しゃー」や「ぎゃー」など、ケンカする時に唸るように鳴く声を聞いたことのある人も多いでしょう。
ニオイだけで決着がつかない時に仕方なく、といった様子でしょうか。


■声に出さない鳴き声もある?

飼い猫に関していえば、声に出さずに鳴く、いわゆる「サイレントにゃー」があります。
口があいていて鳴いているような仕草をするのに、鳴き声が聞こえない場合はサイレントにゃーだと思っていいでしょう。
これは人間に聞こえないほどの高周波で鳴いているだけで、立派な鳴き声なんです。
主に子猫が母猫に対して甘えている時に出す鳴き声だそうですよ。


愛猫家たちを虜にする猫の鳴き声ですが、進化の過程を知ると、人間との密接な関係がうかがえますね。