不快な音はなぜ存在する?体への影響は?

不快な音の代表格ともいえるのが「黒板を爪で引っかく音」ではないでしょうか?
思い出しただけでもゾワゾワするという人も多いでしょう。
しかし世の中には、意外な音を不快に感じる人もいます。
今回はなぜ不快な音が存在するのか、体に及ぼす影響などについて環境スペースが解説しましょう。


■人が嫌がる「不快な音」にはどんなものがある?

甲高い叫び声や赤ちゃんの泣き声、ブレーキ音や黒板を引っかく音など、人が不快に感じる音は様々あります。
他にどんな音が不快に感じたり苦手に思ったりするのかピックアップしてみました。

◎発泡スチロールがこすれる音
◎油性マジックで書く時の音
◎タイピング音
◎咀嚼音
◎スピーカーとマイクのハウリング
コピー機やプリンターの起動音
◎電動ドリルの音
◎虫の羽音
◎人の怒鳴り声

比較的高い音が多いものの、重低音もあり、さしたる共通点はないようにみえます。
不快さには音単体だけでなく、なにか嫌な記憶とその音とが結びついてしまっている場合もあるのかもしれません。


■「不快な音」はなぜ不快に感じるのか

同じ音でも不快に感じるかそうでないかは、どこに違いがあるのでしょうか?
多くの人が「心地よい」と感じる音と比較してみます。

・音の波形
鳥のさえずりや川のせせらぎなど、多くの人が心地よいと感じる音は、一定の周期で波形を繰り返す特徴があります。
周期の長さや間隔などの規則性のある音は心地よく、逆に不規則な音は不快に感じられる場合が多いです。

・音の高低
人が心地よいと感じられる音は、一定の音域に留まっているものがほとんどです。
しかし、不快に感じる音というのは極端に高音だったり、低音だったりするものが多いです。
音として認識した時に日常生活では発生し得ない音域だと、無意識のうちに恐怖心や焦燥感を覚えてしまい、不快に感じてしまうのでしょう。


■不快な音は体にも悪影響がある?

不快な音を耳にすると鳥肌が立ったり、嫌なことを連想させたりします。
これは感覚的な問題ですが、実は不快な音は体にも悪影響があると発表したのが、疾病対策予防センター国立労働安全衛生研究所(NIOSH)です。
不快な音(雑音)は、身体的・心理的ストレスの原因となり、仮に慢性的なストレスを抱えていた場合は、慢性ストレス反応が起こるとのことです。
慢性ストレス反応とは、血圧の上昇や頭痛、疲労感といったものがあります。
ただの音だと軽く考えていると心身の健康に悪い影響を及ぼすおそれがあるので、注意が必要です。


音を完全に避けることは難しいですが、「これは嫌な音だ」と認識するだけでも気持ちの面で随分と変わります。
あらかじめ音の発生が予測できる場合は、耳栓などで自衛するのも効果がありますよ。