聞こえない猫の鳴き声の意味とは?「サイレントニャー」の秘密

猫を飼い始めたばかりの人から、「口を開けて鳴こうとしているのに、声が聞こえないので心配…」という相談を受けたことがあります。
声が出せない病気なのではないか、まだ子猫だから声の出し方が分からないのではないかと不安に思う人もいるでしょう。
しかし猫は、人間の耳には聞こえない鳴き声を出すこともあるのです。
今回は、猫の鳴き声の不思議について環境スペースが解説します。

 

■人間に聞こえる声で「鳴いてあげている」!?

猫は、本来鳴き声でコミュニケーションを取る生き物ではありません。
耳やしっぽの動きなど、全身の仕草で気持ちを伝え合っているのです。
また、野生の猫は敵に見つからないよう、同じ猫にしか聞こえない音域の鳴き声を出していることも多いといいます。
いっぽう飼われている猫の鳴き声は、人間にも聞こえますよね。
これは猫が人間に聞こえる音域まで調節して、人間のために「鳴いてあげている」と考えられます。
人間は16~20,000Hzまでしか聞き取れませんが、猫は25~75,000Hzの広い音域を聞き分けられる動物です。
猫の鳴き声が聞き取れる時は、人間に対して何か伝えたいことがあるのでしょう。
もし鳴いているような口の動きをしているのに何も聞こえなければ、猫たちだけの内緒話なのかもしれませんね。


■信頼の証?「サイレントニャー」

声が聞こえない猫の鳴き声のことを、「サイレントニャー」と呼ぶ愛猫家もいます。
これは母猫に甘える子猫の鳴き声で、飼い主に対する愛情表現としても見られる現象です。
名前を呼んだ時の返事として、サイレントニャーをすることもあります。
飼い主をじっと見つめてサイレントニャーをする時は、構ってほしい、おやつが欲しいという意味があるでしょう。
信頼する相手にしか見せない行動なので、たっぷり可愛がってあげてください。
寂しかったり、不安がっていたりする時は、耳を後ろに倒してウロウロ歩き回りながらサイレントニャーをすることもあります。
気付いたら抱っこして撫でてあげると、より信頼関係が結ばれるでしょう。


■不調を訴えていることも

一生懸命鳴こうとしているのに、声が出ないこともあります。
構ってあげてもサイレントニャーのような行動を続ける時や、かすれたような声が聞こえた時は、上手く声が出せずに戸惑っているのかもしれません。
喉が乾燥すると声を出しづらくなり、加齢や鳴きすぎによっても声がかすれることがあります。
全身麻酔手術のあと2~3日は喉が枯れやすくなるため、飲み水やウエットタイプのフード・おやつで水分が取れるようにしましょう。

 

サイレントニャーを初めて目撃すると、猫の声が出ないのか、それとも自分の耳が聞こえなくなったのかと驚く飼い主も少なくないそうです。
まずは猫の様子を観察し、ただ甘えているだけなのか喉の不調ではないか確認してみてくださいね。