こんな意味があったの?雨にまつわる童謡の歌詞や由来を解説

雨の多い日本には、昔から雨や傘が出てくる歌が多いです。
もちろん童謡にも多くあり、今でも口ずさめるという人もいるでしょう。
今回はそんな雨にまつわる童謡の意外な由来や歌詞について、環境スペースが解説します。


■かえるの合唱(かえるのうた)

「かえるのうたが聞こえてくるよ」で始まるこの歌は、合奏や輪唱をしても楽しめることから幼稚園や保育園でもおなじみの歌です。
作詞は岡本敏明、作曲はドイツ民謡と表記されるのが一般的で、元はドイツの童謡「Froschgesang(フロシュ・ゲサング)」であることはあまり知られていません。
「Froschgesang(フロシュ・ゲサング)」の作詞者は、19世紀に活躍した童謡作家ホフマン・フォン・ファラースレーベンです。
もちろんドイツ語の歌詞もあるものの、忠実に訳詞されているので大きく意味が変わることなく日本に浸透しています。
かえるの鳴きまねをする歌詞は子どもたちの興味を引きやすく、雨の季節に楽しむ童謡の定番になりました。


■あめふり(あめあめふれふれ)

こちらもこの季節の定番ともいえる童謡です。
「あめあめ ふれふれ かあさんが」から始まるこの歌は、子どもには少し難しい言葉も含まれています。
それもそのはず、この歌が発表されたのは1925年、大正時代でした。
作詞は北原白秋、作曲は中山晋平です。
現代ではあまり使われなくなった言葉をピックアップしてみましょう。

◎じゃのめ
蛇の目、傘の模様のこと。
当時は紙製の傘が一般的で、黒や赤で縁を塗るデザインが多かった。
上から見るとまるでヘビの目のように見えることから、傘自体をこう呼ぶようになった。

◎やなぎのねかた
柳の根方。
根方とは、木の根もとや根のあたりという意味。
したがって「やなぎのねかた」とは「柳の木の下」と解釈できる。

このような歌詞がありながらも最後は「ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン」と、なんともコミカルな終わり方をする楽しい歌です。


■かたつむり(でんでんむし)

こちらもよく知られた歌です。
「でんでん むしむし かたつむり」と、歌い出しから出てくる「でんでんむし」とはかたつむりの愛称です。
かたつむりのことを「でんでんむし」と呼ぶようになったのは随分と昔のことで、由来は古典狂言「蝸牛」ではないかといわれています。
そもそも童謡である「かたつむり(でんでんむし)」は、1911年に尋常小学校の1年生用に作られた歌でした。
であれば、狂言から着想を得たと聞いても不思議はありません。


今回ご紹介した歌はどれも子どもから大人まで知っているものばかりですが、歌詞や由来を聞くと驚くような事実もあったのではないでしょうか?
雨が続くこの季節、定番の歌を歌ったり意味を調べたりして、楽しく過ごしてください。