パワハラやセクハラ、モラハラなど、ハラスメントとして分類される迷惑行為は数多くあります。
いずれも相手を不当に攻撃する迷惑行為ですが、なかには本人が無意識に行っているものもあるため、適切な対策が求められています。
今回はそんなハラスメントのなかから「音」に関するものを環境スペースが解説しましょう。
■「音」もハラスメントに
不必要に大きな声を出したり、勢いよくタイピング音を立てたり、あからさまなため息をしたり・・・これらも立派なハラスメント行為です。
音ハラスメント(音ハラ)またはノイズハラスメント、サウンドハラスメントなどと呼ばれることもあります。
音ハラの定義には次のようなものが挙げられています。
◎頻繁な咳や舌打ち、ため息
◎大きなタイピング音を出す
◎独り言
◎必要以上に大声を出す
◎貧乏ゆすり
◎足音
◎咀嚼音
◎鼻呼吸や鼻をかむ、鼻をすする
いずれも意識・無意識を問わず、音ハラになるので注意が必要です。
足音に関しては、「ズッズッ」と靴を引きずる音や「コツコツ」といったヒールの音など、歩き方からくる音も含まれるそうです。
ハラスメントは対策が義務化されており、音ハラも例外ではありません。
もしも指摘されて改善しない場合は不法行為として損害賠償請求を起こされるおそれもあります。
とはいえ、音ハラは相手と距離を取れば解消できるものが多く、そこまで発展するケースは多くないでしょう。
■音ハラは職場だけの問題ではない
音ハラの定義を見ると職場環境を想定しているように感じますが、実はマンションやアパートなどでも起こりやすいです。
大声や足音などは騒音トラブルとしてもよく取り上げられていますね。
部屋が隣り合っている場合は職場と違い、その場を離れれば解消するというわけにもいきません。
音ハラは思っている以上に身近なハラスメント行為だといえるでしょう。
■若い世代ほど音ハラに敏感?
音ハラに対応するメーカーも増えています。
クリック音のしないマウスやノック音のしないボールペン、タイピング音を抑えられるキーボードなどが人気です。
文房具メーカーである「ぺんてる」が商品開発に際して行ったアンケートでは「周囲の音が気になる」と回答したうち、実に9割が20代・30代の若い世代だったそうです。
同時に「自分の音が周囲へ迷惑をかけているか不安だ」と答えた20代・30代は8割も上ったとのこと。
若い世代ほど音ハラに敏感だという現状が浮き彫りになりました。
普段何気なくしていることが周囲に迷惑をかけている場合もあります。
音ハラは特に無意識下で起こりやすいため、改めて自分の行動を見直す必要があるかもしれませんね。