木琴とシロフォンって同じ楽器なの?詳しく解説!

固有名詞だと思っていたものがジャンル全体を表す名称だと知ったらおどろきますよね。
気付かずに話をして全然かみ合わない・・・なんてことも。
今回はありがちな勘違いの一つである「木琴」について環境スペースが解説しましょう。

 


■木琴ってどんな楽器?

学校の音楽室に必ず置いてあるのが鉄琴や木琴といった鍵盤打楽器ですね。
マレット(バチ)で叩くだけで音が鳴るので小さな子どもでも音遊びが楽しめる楽器です。
柔らかな音色が特徴の木琴は木製の音板を使っています。
しかし実は多くの人が思い浮かべる「木琴」は木琴ではなく、「シロフォン」という楽器なんですよ。


■本当の木琴とは?

少しややこしいですが、「木琴」とは楽器の固有の名前ではなく、ジャンルの名称だと思うといいでしょう。
そして木琴ジャンルには「マリンバ」「シロフォン」という2種類の楽器があります。

マリンバとは
マリンバとは、4~5オクターブの音域を持つ木琴です。
奥行きが100cmほどあり、幅は250cmを超える大きな楽器ですね。
この大きさを活かした丸みのある中低音が特徴で、重量は100kgほどもあるんですよ。

シロフォンとは
一方でシロフォンとは3オクターブ半ほどの音域しかなく、奥行きも幅もマリンバの半分ほどしかありません。
子どもでも演奏できるほどの小型サイズで、学校の音楽室にあるのは多くがシロフォンです。


■同じ木琴でもルーツは違う?

シロフォンが学校の音楽室に置かれるケースが多いのは、子どもでも演奏可能なサイズ感だったことではないかと推測できます。
しかしその際に「シロフォン」ではなく「木琴」と認識されてしまったために別々の楽器だと思われてしまったのでしょう。
同じ木琴であるマリンバシロフォンですが、そのルーツはまったく異なります。

マリンバのルーツはアフリカ
マリンバ南アフリカの原住民が作った木琴といわれています。
マリンバ」の名前もアフリカの言語だそうですよ。
そこから中南米に渡り、改良を加えながらアメリカへ伝わった歴史があります。

シロフォンのルーツはヨーロッパ
一方のシロフォンはヨーロッパにあったストローフィドルという楽器が原型になっています。
ヨーロッパからアメリカに渡り、改良されて現在の木琴の姿になりました。

 


それぞれ別の楽器だと思われることの多い木琴とマリンバシロフォンですが、実は木琴はジャンルの名称で、マリンバシロフォンは同じ仲間でした。
マリンバシロフォンは音域も音色も違うので機会があったら聴いてみてくださいね。