カブトムシとクワガタは一緒!?日本と海外の昆虫に対する意識の違いとは

セミの鳴き声を聞くと夏が来たことを実感できますね。
でもこれ、日本独特の文化のようですよ。
今回は日本と海外での昆虫に対する価値観の違いについて環境スペースが解説します。

 


■昆虫採集は日本独特の文化?

夏休みの自由研究といえば昆虫採集が定番ですね。
身近で捕まえられる昆虫を標本にしたり、スケッチしたり、生態を調べたり・・・。
自由研究でなくても飼うためにカブトムシやクワガタを捕まえに行くのも子どもの定番の遊びです。
子どもだけでなく大人も夢中になるほど、昆虫は身近な存在といえるでしょう。
日本人と虫の歴史は古く、平安時代にはすでに虫の音を楽しむ文化が形成されていました。
しかし、虫を愛でる文化は海外の人からは理解しがたいようです。


■英語ではカブトムシもクワガタも「ビートル」

日本人の多くはカブトムシとクワガタの違いを説明できるでしょう。
まず角の本数が違いますね。
そして実は分類も違うんです。

◎カブトムシ:コガネムシ
◎クワガタ:クワガタムシ

姿かたちが似ているのに分類が違う、と聞くと興味が湧くものですが、海外の人は決してそのようなことにはなりません。
なぜなら、英語ではカブトムシもクワガタも、カナブンでさえもすべて「ビートル」なんです。
そしてビートルは愛でる対象ではなく、駆除の対象です。
虫かごに入れて観察するような文化はありません。


■トンボとハエは一緒

日本ではツクツクボウシが鳴き始め、トンボを見かけるようになると夏の終わりと秋の始まりを感じさせてくれます。
トンボは結構なサイズの昆虫ですが身近な存在なせいか、「怖い」という声はあまり聞いたことがありません。
むしろ季節を感じられる昆虫として親しまれています。
ところが海外でのトンボの扱いはハエと変わらないのだとか。
名前にもそんな意識が表れていますよ。
ハエの英語名は「フライ」、トンボの英語名は「ドラゴンフライ」です。
さしずめ、トンボはちょっとゴツいハエといった認識なのでしょう。


■海外での「ファーブル昆虫記」の評価とは

日本には昆虫に関する著書も多いです。
そのなかでも「ファーブル昆虫記」は小学校で習うほど有名ですね。
しかし著者のファーブルはフランス人です。
ではフランスは昆虫に理解があるのかというと、そんなことはありません。
フランス語では蝶と蛾は一緒です。
フランスもアメリカと変わらないくらい昆虫に対して無関心です。
なので昆虫研究をしていたファーブルは現地でとても気味悪がられていたそうですよ。
世界各国で翻訳された素晴らしい著書があるにもかかわらずフランス人の多くはファーブルのことを知りませんし、変態的といった評価が大半です。

 


海外では昆虫に関心がないばかりかすべて駆除の対象です。
当たり前だと思っていたことがそうではない、といういい例といえるでしょう。