除夜の鐘はどうして108回?意味や由来を解説!

除夜の鐘を聞くと本当に大晦日なんだなと感じますね。
除夜の鐘といえば108回というのが定説ですが、その由来をご存じですか?
今回は、除夜の鐘について環境スペースが解説しましょう。


■除夜の鐘をつく理由って?

「除夜の鐘」とは、大晦日の夜にお寺の鐘をつくことをいいます。
除夜とは大晦日の夜を指しており、鐘をつくことで人の煩悩を祓うことができるとされています。
除夜の鐘は、大晦日の深夜23時ころからスタートするのが一般的です。
1年の終わりに煩悩を祓い、新たな気持ちで新年を迎えられるように、最後の1回は年が明けてからつくお寺も多いです。
しかし、除夜の鐘で使われる梵鐘は大きな音が出るため、近隣に配慮すべく日中につくというところも増えてきました。


■どうして108回?

除夜の鐘をつくのは煩悩を祓うためですが、なぜ108回なのでしょうか?
これには諸説あり、もっとも知られているのが次の3つです。

・煩悩の数が108個あるから

一番有名なのがこちら。
人の煩悩の数が108個あるため、鐘をつくごとに一つずつ打ち消しているという説ですね。
そもそも「煩悩」とは、自分自身を苦しめる自分の心を意味する仏教用語です。
幸せになるには自分の内側から変えようという考えからきているようですよ。

・1年を表す節気から

暦で1年を見た時の節気の数が108あるから、という説も。

◎1年は12ヶ月
◎1年は二十四節気
◎1年は七十二侯

これらすべてを足すと108(12+24+72)になるため、1年を振り返るのにちょうどいいとされたというものです。

・語呂合わせ

108という数は、語呂合わせからきているという説も有名です。
「四苦八苦」という言葉を2つに分けて「四苦(4×9)」と「八苦(8×9)」とし、両方を足すと108になるというもの。
苦労したりつらい思いをしたりするという意味がある四苦八苦ですが、四苦も八苦も元々は仏教用語でした。
それもあって、有力な説の一つとして挙げられるのでしょう。


■今年は除夜の鐘をついてみよう

昔から日本の年末行事として定着しているものでも、改めて意味や由来をみると知らないことも多いものです。
これまではぼんやりと聞いていた鐘の音も「自分の内側から幸せになるために煩悩を祓う音」だと思うと少し違う聞こえ方がしてきそうですね。
除夜の鐘はお坊さんがつくところもありますが、なかには参拝客が参加できるところもあります。
一般参加が可能なお寺では、108回を超えてもつけるところが多いので、ぜひチャレンジしてみてください。
ただし、整理券を配布したり、予約が必要だったりする場合もあるので、事前確認はしっかり行いましょう。


意外と知っているようで知らない除夜の鐘、時代の変化とともに実施を取りやめるお寺もありますが、伝統行事として一度参加してみてはいかがでしょうか?