大きな音が怖い!爆音恐怖症を訴える人が急増中

花火の打ち上げ音や運動会のピストルの音など、大きな音が苦手な人はいませんか?
突然鳴る大きな音に驚く人は多いと思いますが、これから音が鳴ることが分かっているのに不安でたまらなくなったり、パニックになってしまったりする人もいます。
大きな音が怖くて花火大会や音楽ライブに行けない人、大きな音が鳴ると具合が悪くなってしまうという人は「爆音恐怖症」かもしれません。
今回は環境スペースが、最近不快な症状を訴える人が増えているという音にまつわる恐怖症について調べてみました。

 

■爆音恐怖症とは

医学的に「恐怖症」とは、特定の環境や状況に強い不安、恐怖感を覚え、日常生活に支障をきたすような症状をいいます。
「爆音恐怖症」とは大きな音に対して不安や恐怖を感じ、症状の強さによってはメンタルケアなどが必要になる場合もある精神的な疾患です。
例えばSNSでは、自身が爆音恐怖症かもしれないと感じているユーザーから
「ピストルを鳴らす徒競走では耳栓が必須」
「ライブの大音量が辛くなり、途中から耳を塞いでしまった」
「ポン菓子の弾ける音が怖くてお祭りに行けない」
緊急地震速報が流れた後にドキドキして気分が悪くなり、職場で倒れそうになった」
などの声が挙がっています。
爆音恐怖症と思われる症状のある子どもも少なくないようで、
「雷が怖くて学校に行けない」
「音楽の授業で太鼓を叩いていたら泣きだしてしまった」
というケースも報告されています。


■なぜ大きな音が苦手なのか

爆音恐怖症の原因のひとつに、幼少期の頃の経験が強い不安や恐怖と結びついているのではないかという説があります。
例えば雷が近くに落ちた経験のある子は、今まで聞いたことのないほどの大きな音や目のくらむような強い光を目の当たりにし、自分の居る場所が停電して真っ暗闇に包まれ、恐怖を感じたはずです。
大人になってから雷は珍しいものではなく比較的頻繁に起こる現象であること、落雷の被害に遭う確率がそれほど高くないことを知るでしょう。
でも、子どもの頃はいつどこで降りかかってくる災難なのか、雷によってどんな被害がもたらされるか予想もつきません。
通常は成長とともに雷に対する恐怖も薄れていきますが、頭では怖がる必要はないと分かっていてもどうしようもない不安感に囚われてしまう人もいます。
爆音恐怖症の場合は大きな音がトリガーとなって、落雷や事故など、過去の恐怖体験を思い出させてしまうのでしょう。


SNSで広まることの安心感も

爆音恐怖症を自覚する人の多くが、これまで誰にも理解されず、我慢しているしかなかったといいます。
具体的な症状を訴えても信じてもらえない、「大袈裟だ」とまともに取り合ってくれないという悩みも…
しかしSNSで爆音恐怖症という言葉が投稿されるようになると、同じ境遇の人を見つけやすくなり、今まで名前のなかった症状に名前がつくことで安心感を覚える人も多いようです。
現代において、理解者を得る、自分は一人ではないと認識できることがメンタルを安定させるのに最も効果的なのではないかと環境スペースは思います。

 

 

爆音恐怖症はただの怖がりや苦手意識とは違い、自分の考え方次第で克服できない場合もあります。
日常生活に支障をきたすとうつや自律神経失調症の原因にもなる可能性があるため、音が止んだ後もしばらく強い不安や恐怖がぬぐえないという人は一度メンタルクリニックなどを受診してみると良いでしょう。