花火の音が怖い?爆音恐怖症とは

夏の風物詩といえば花火ですね。
大規模な花火大会では何千発もの花火が打ち上げられ、屋台やイベントなどが開催されてとてもにぎやかになります。
毎年楽しみにしているという人も多いのではないでしょうか?
しかしなかには花火の音が苦手、花火が楽しくないという人も。
今回は大きな音に恐怖を感じる「爆音恐怖症」について環境スペースが解説します。

 


■花火の音が苦手な人もいる

華やかな花火も大きな破裂音にしか聞こえず、恐怖すら感じる人もいるそうです。
どの程度の恐怖を覚えるのかは人によって様々ですが、不安な気持ちからパニックになってしまうこともあるのだとか。
実はこれ、「爆音恐怖症」というれっきとした医学的症状の一つなんです。


■爆音恐怖症とは?

爆音恐怖症とは、高いところが苦手な高所恐怖症や暗いところが苦手な暗所恐怖症のような「恐怖症」の仲間と考えられています。
主な症状としては、花火の音のように「突然鳴る大きな音」に恐怖を覚えるというもので、原因や克服方法はハッキリしていません。
恐怖の対象も人によって様々で、花火の音以外にも

◎雷の音
◎シンバルや太鼓の音
スマホ緊急地震速報
◎運動会のピストル音
◎風船が破裂する音
◎ライブの花火演出の音

このようなものが挙げられます。
爆音恐怖症はまだよく知られていない疾患なので、認知が進むことで対象が増える可能性は高いでしょう。
また、恐怖心を数値で表すことは難しく、確実な診断をするためには細かい問診も必要です。
現状、どれくらいの人が爆音恐怖症で苦しんでいるのか、正確なところはわかっていません。


■自覚のない人も多い?

疾患に対して理解を深めるには認知度を上げることがポイントになります。
しかし確認できるだけでも爆音恐怖症についての調査が行われたことはなく、自覚のないまま不自由な生活を送る人も多いようです。
爆音恐怖症を発症するメカニズムについてもすべてを解明できているわけではありません。
その多くは子どものころの経験が基になっているのではないか、といわれています。
突然の雷や花火のような爆音に驚きと恐怖を感じ、それらと似たような音にも恐怖心を抱くようになったと考えられています。
ある程度の年齢になれば雷も花火も怖くないものだと理解できるはずが、何かの拍子に別の不安や恐怖と結びついてしまったのではないか、という説が有力です。

 


爆音恐怖症は恐怖症の一種と考えられる、きちんとした疾患です。
「大きな音が苦手だなんて、自分はどこかおかしいのではないか」などと自分を責めるようなことはせず、また、周囲も疾患について理解することが重要といえるでしょう。