麺をすするのはハラスメント!?大論争を巻き起こした日本食文化

セクハラやモラハラアルハラにスメハラなど、いわゆる「ハラスメント」と呼ばれるものは30種類以上あるといわれています。
今回はそのなかから「ヌードルハラスメント」にスポットを当ててみました。
どんなハラスメントなのか、環境スペースが解説します。


■大論争を巻き起こしたヌードルハラスメントとは?

数年前、SNSで大論争が起きました。
それは「日本人が麺をすすって食べるせいで外国人観光客が不快な思いをしている」というもの。
これはもうハラスメントであるため、日本人は外国人観光客にもっと配慮すべきという投稿から大きな論争に発展しました。
この時に生まれたのが「ヌードルハラスメント(ヌーハラ)」という言葉です。
論争では

◎麺をすすって食べるのは日本の文化なので問題ない
◎世界基準に合わせて日本もすすって食べるのをやめるべき

といった意見が対立し、決着はついていないようです。


■日本でも音を立てて食べるのはマナー違反!

この論争では「日本人の食べ方が汚い」と批判されているように感じてしまった人も多いようですが、論点はあくまでも麺類の食べ方に関してのみ。
日本でも食事中に音を立てるのは、マナー違反です。
この点については、しっかりと押さえておく必要があるでしょう。
思い切り音を立てて食べていいのは、麺類のみです。
ではなぜ、麺をすすって食べる文化が根付いたのでしょうか?

・風味を楽しみながら食べるため

すすりながら食べると、麺と空気を一緒に口に入れられます。
空気と一緒に口に入れることで、麺の風味をより深く味わうことができるため、すする行為がよしとされてきました。
「小麦や蕎麦の風味を感じられる美味しい麺」という感想は、すすって食べなければわからないものといえるでしょう。

・美味しいタイミングを逃さないため

麺の命はコシです。
しかし、麺は茹で加減が難しく、完璧に茹でられたとしても盛り付けている間にどんどん伸びていきます。
すすらずに丁寧に食べていたら、美味しく食べられるタイミングを逃してしまいます。
すすって食べる行為には、料理を提供してくれる側への配慮でもあるといえます。


■日本ではOK!でも海外では気をつけよう

一大論争を巻き起こしたヌードルハラスメントですが、日本食が世界に広がったことで海外の人の反応も少しずつ変化してきました。
特にラーメンは海外の人にも人気が高く、

「日本のラーメンはすすって食べるのがマナー」
「すすれるようになるのが日本へのリスペクトだ」

などという意見も。
少なくとも日本国内で麺を楽しむ場合には、すすって食べても問題なさそうです。
とはいえ、海外で食事をする際は控えた方がいいでしょう。


日本でも食事中に音を立てるのはマナー違反ですが、麺類に関しては音を立てた方がよしとされています。
そんなある種の矛盾が、ヌードルハラスメントを生んでしまったのかもしれませんね。