超音波の世界って?

人の耳で聞き取ることができる可聴周波数範囲は、およそ20Hz~20kHz。
超音波は、その可聴周波数ではない高音の音波として知られていますが、実は世の中の様々なことに役立てられていることは知っていますか?
今回の記事では、超音波の世界についてを環境スペースが紹介していきましょう。

■超音波とは?
物が振動した時、周りの空気は同じように振動して広がり、音として伝わります。
つまり私達人間は、声帯を震わせて空気を振動することで音を発しており、その音は喉で反響することで声となるのです。
300Hz~4kHzの周波数を人間は声で発していますが、人間が聞き取ることができる可聴周波数範囲は、およそ20Hz~20kHz。
そして、超音波は20kHzを超えた「人の耳には聞こえない音」または、「聞くことを目的にしない音」の2種類があります。

■超音波の特徴
超音波は、気体や液体、固体などの媒体を介すことによって伝わる特性があり、真空中で伝わることはありません。
光が通らない媒体の中でも伝わりますが、媒体によって超音波の伝わる速度が異なり、空気中の音速が340m/秒なのに対し、水中では、1,500m/秒となります。
気体<液体<固体の順番で音速が早く、伝搬効率が高くなる傾向で、周波数が高いほど超音波の減衰率は高くなってしまいます。
そのため、超音波は短い距離にしか届かないのですが、水の中の強い超音波なら、非常に遠くまで届けることができるんですよ。

■超音波の利用
 
・超音波洗浄
超音波洗浄は、半導体基盤や、超精密加工製品などの洗浄に利用されており、自動車の部品や家電などには必要不可欠となっています。
 
・超音波接合
家電や自動車、通信機器などの金属部品やプラスチックを接合するために超音波接合が利用されています。
 
・超音波を応用した機械での測定
①魚群探知機
超音波パルスを海底に向けて送ると、パルスは海底から反射されて戻ってきます。
途中で魚の群れが居た場合も同じで、魚の群れに対して反応した場合は、速くパルスが戻ってくることを応用し、魚群探知機が作られました。
魚群探知機は多くの漁船に使われており、船の下に魚の群れが居ることをすぐに知ることができるようになったのです。
 
②超音波診断装置
魚群探知機と同じように、超音波パルスを体内に送ることで病気を診察できるようになりました。

私達の耳には聞こえない超音波ですが、医療や部品の検査などの日常生活において非常に役立てられています。
そんな場面にであったら、環境スペースと超音波のことを思い出してみてくださいね。