人としての本能が拒否している?嫌な音の正体とは

は誰しも苦手な音、嫌な音というものがあります。
しかしそれが個人の好みの問題ではなく、本能に組み込まれているものだと言われたらどう思いますか?
今回は人が嫌だと感じる音の正体について、環境スペースが解説します。


■人にとってもっとも嫌な音とは?

人は音によって癒されたり、やる気を高めたりといった恩恵を受けています。
ストレス社会で生きる現代人にとって音は欠かせない存在です。
しかし一方で、どうにも我慢ならない嫌な音というものも存在します。
個人の好みを超越した嫌な音にはどんなものがあるでしょうか?
代表的なものは次の通りです。

◎嘔吐や咀嚼といった音
◎黒板やガラスを引っかく音

どちらも想像するだけで鳥肌が立つような不快感に襲われますね。
そう、つまり嫌な音というのは人が不快に思う音、ということになります。


■嫌な音=防衛や逃走反応を引き起こす音?

先に挙げた嫌な音とは、人が不快感を覚える音でした。
では、なぜその音を聞くと不快に思うのでしょうか?

・本能で毒物の危険を察知している
まだ進化の過程にあった太古の時代、食べて消化することのみが生命活動だったため、毒物の摂取は死に直結するものでした。
そのため、「食べても大丈夫か」「毒はないか」といったことを確認できるよう、口の周りに感覚器官が集中しています。
当然、口の中にも存在しており、もし毒性を感じたらすぐに吐き出せるような体のつくりに進化しました。
嘔吐や咀嚼音を聞くと不快になるというのは、人が進化の過程で毒物を探知してきた名残だと言われています。

・脳が感じる警告音と同じ周波数
嫌な音の代名詞ともされる黒板やガラスを引っかく音ですが、これにもれっきとした理由がありました。
一般的に人が深いと感じる音は、2,000~4,000Hzの中間周波数と言われています。
実はこれ、人が生死にかかわる状況で上げる悲鳴の周波数と同じだということがわかっています。
人にはこの周波数の音を聞くと脳が不安を感じ、周囲に異変がないか確認する防衛や逃走反応が備わっており、悲鳴はまさしく警告音です。
黒板やガラスの引っかき音は警告音と同じ周波数のため、本能で警戒するものの、目の前の状況が明らかに安全であることから頭が混乱してしまい、不快に感じているのではないかと言われています。


人が不快に感じる音については、様々な機関で研究が続けられています。
今回ご紹介した因果関係についてもまだ仮定の段階だそうですが、多くの人が不快に思う音なのですから、人の生存本能に関わるものだという説は納得できますね。