無音の与える効果とは?

日常的に聞こえてくる音の中でも様々な音がありますが、テレビや映画などでふとした瞬間に「無音」状態になることがあります。
その無音は作られた無音であって、今まで流れていた音が急になくなると「どうしたんだろうか」と気になってきますよね。
今回環境スペースが注目していきたいのは、そんな無音の効果についてです。
無音が作り出す効果や意味などを解説していきましょう。


■無音って意味あるの?

音のない状態、音を出さない状態を「無音」と言いますが、意図的にその状態を作り出さなければなかなか無音の実現は難しいでしょう。
そもそも音は空気中の振動からなるものです。
人間は生きていれば常に空気に触れているので、何かしらの音を感じ取ることになります。
テレビや映画の演出などで、たまにふと音がなくなることも正確には無音状態とは言えないかもしれませんが、聞こえていた音が無くなることで興味を惹かれることになります。
音を演出する中でも、無音を効果的に使うというのは非常に高度な技術だとも言えるでしょう。


■無音の時間=間の時間

演出などで用いられる無音の時間は、「間」とも呼ばれています。
身近な間と言うと、CDなどの曲と曲の間ではないでしょうか。
最近メジャーになっているダウンロード配信などではそういった間は均一化されてしまっているのですが、CDは別です。
曲と曲の間もすべてアーティストや演出家たちが決めているのです。
演奏が始まる瞬間から音が始まっていると考えられがちですが、実はその前から演奏は始まっていて、音が終わってからもしばらくは音楽としては終わっていない状態となります。
これは感覚的なものではありますが、消えた瞬間に余韻も何もない状態だとどうしても急に現実に引き戻されてしまったような感覚になってしまいます。
前後の「間」をうまく調整することで、音楽の世界を余すことなく表現しているとも言えます。


■間は日本人の文化でもある

「間」は古くから日本で大切にされてきた文化でもあります。
伝統芸能などを見てみると間の大切さを改めて感じられるでしょう。
雅楽や歌舞伎、能などには決められたテンポはありません。
間を含めて演じる人のタイミングとなっているのです。
他にもこの間を利用して、音をより機能的にすることもできます。
例えば、着信音など音が切れた後に注意がいくように間が調整されていることもあります。
このことから、無音という間は社会的にも有効活用することができるのだと思います。


今回は、環境スペースが無音について解説してみました。
無音は一見何も生み出さないものに思われがちですが、それが演出や演奏となると人間にとって非常に効果的な役割を果たすものでもあることがわかります。
日本の文化にも根付いている無音=間をどんどん活用していってほしいですね。