英語に小さい「っ」は存在しないって本当?日本語の難しさとは

英語を苦手とする日本人は多いですが、それは英語と日本語の共通点が少ないためといわれています。
具体的にどんな違いがあるのでしょうか?
今回は英語を母語とする人から見た日本語の難しさについて環境スペースが解説しましょう。

 


■日本語は難しい?

日本のアニメや漫画が世界的に人気なのはもう周知の事実となりつつあります。
「好きなアニメを字幕なしで観るために日本語の勉強を始めた」なんて話もよく聞きますね。
しかしここで多くの外国人がつまずくことになるそうです。
理由は日本語が難しすぎるから。
アメリカの国務省が発表した「Language Difficulty Rankings」では、英語を話す人にとって、そのほかの言語がどれくらい難しいのか調査を行いました。
結果を8段階に分けてランク付けしています。
最高難易度である「5+」に分類されたのはなんと日本語のみ。
英語を話す人にとって日本語は極めて難易度が高いと判断されたのです。


■英語には小さい「っ」の概念がない

アメリカで高難度という評価を受けた日本語ですが、それにはいくつか理由があります。
まず英語には促音(そくおん)がありません。
促音とは小さい「っ」のことです。
英語を話す人にとって促音は非常に発音しづらく、日本語を難しく感じるようです。

 

◎雑誌
◎3日
◎明後日
◎こっち
◎ちょっと
◎いっぱい
◎ずっと

 

こうしてみてみると促音は多くの単語に使われており、しかも日常的に使うものが多いことがわかりますね。


■文字種や読み方が多い

日本語を難しいと感じる2つめの理由として文字種や読み方の多さが挙げられます。
ご存じの通り、日本語は漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベットの4つの文字を使います。
ひらがなだけでも46文字もあり、覚えるのは大変でしょう。
やっと覚えたと思ったら今度は漢字です。
画数の多さに加え、アルファベットにはない「トメ」「ハネ」に苦慮する外国人は少なくありません。
さらに困惑させるのが読み方の多さ。
「日」という漢字一つとってもこんなにあります。

 

◎日曜日(にちようび)
◎今日(きょう)
◎明日(あした)
◎明後日(あさって)
◎1日(いちにち・ついたち)

 

日本語が難しいと言われる理由がわかるような気がしますね。


■語彙のカバー率が低い

最後に挙げるのが語彙のカバー率の低さです。
これは、使用頻度の高い語彙をいくつ覚えればコミュニケーションができるのかというもの。
フランス語と英語と比べてみましょう。

 

◎フランス語:上位1,000語で83%
◎英語:上位3,000語で90%
◎日本語:上位5,000語で81%

 

単純計算でフランス語の5倍の語彙を覚えなければ同等のコミュニケーションが取れないことがわかりますね。

 


今回は英語を母語とする人から見た日本語の難しさを挙げてみました。
こうしてみると「日本語は難しい」と言われる理由がわかる気がしますね。