家の中で「ラップ音」が!実は心霊現象ではなかった

静かな家の中で、突然「パキッ」という音がした・・・という経験はありませんか?
時々テレビでやっている心霊現象の映像を見ていると、「ラップ音」と呼ばれる不思議な音が紹介されています。
霊からのメッセージだとか、ここに霊がいるという意味だとか言われることもありますが・・・。
実はこれ、木造の家ならどこでもよく起こる自然現象なのです。
今回は環境スペースが、「ラップ音」の正体について解説しましょう。


■何の音!?突然鳴り響く不思議な音の正体は

一人で家にいると、時々聞こえてくる「パキッ」「ピシッ」という音。
何かが割れたような、きしんだような音に聞こえます。
これは「家鳴り(やなり)」といわれる現象で、鳴っているのは木材が伸縮する音です。
木造建築に使われている木材は、吸湿性に優れています。
家の湿気を吸い込んだり、湿気を放出したりしながら、湿度を調節しているのです。
湿気を吸い込んだ木材は少し伸び、湿気が放出されると少し縮みます。
この時に木と木を接合した「仕口」といわれる部分に歪みが発生し、「パキッ」という音が鳴ることがあります。
これが「ラップ音」の正体です。
特にスギの木や、表面にコーティングをしない無垢材を使う場合は、より多く発生するでしょう。


■家鳴りがする家は良い家?

大工さんのなかには「木が呼吸する」と表現する方もいますが、木材建築のメリットは室内の湿度を調節してくれるところにあります。
夏は湿度が高く、冬は乾燥する日本の気候には、上手に吸湿・放湿する木材建築が適しているでしょう。
森の中のように、自然の調湿機能が働いていることは住む人にとっても良いことです。
家鳴りが多い家は、木の伸縮が活発になっているという証です。
つまり、木の吸湿・放湿機能が活発に働いていることが分かりますね。
実際に住んでみると、特に夏の快適さに驚くでしょう。
ジメジメする梅雨の時期も、スギや無垢材が使われている家はカラッとしています。


■木材が割れる可能性はないの?

静かな部屋にいると、家鳴りの音が大きく聞こえます。
まるで木が割れたように聞こえ、亀裂が入っていないか心配する人もいるでしょう。
ほとんどの場合、吸湿・放湿で木材が割れたり柱が倒れたりすることはないので安心してくださいね。
稀に小さなヒビが入ることもありますが、建物の強度には影響しません。
ただし古い家屋で、頻繁に「ミシミシ」という音が鳴って気になるようであれば、建築会社やリフォーム施工業者などに相談してみると良いでしょう。


環境スペースは、ラップ音が心霊的なものではないと分かって安心しました。
お子さんが怖がった際は、「おうちの柱も息をしているんだよ」と教えてあげてくださいね。