韓国の音楽といえば、アイドルがハイクオリティな歌唱とダンスで魅せるK-POPが人気ですよね。
しかし最近は「トロット」というジャンルが新たなブームを巻き起こしているといいます。
今回は環境スペースが、トロットについてご紹介しましょう。
■トロットってどんな曲?
韓国にはK-POPのほかバラードやロック、日本でいうところの演歌もあります。
トロットは韓国版の演歌で、主に「恨(ハン)」の感情をテーマに作られている楽曲です。
恨とは、悲しみや無常さ、痛恨などの感情的な「しこり」を意味しています。
社会的な抑圧に対し、内に込められた恨みや悲しみ、怒りを総称するような言葉です。
これは朝鮮文化で生まれた固有の感情であるとされ、トロットでは哀愁漂う曲調や切ない歌詞で表現しています。
韓国のトロットは日本でも発売され、楽曲や韓国のトロット歌手は日本の音楽シーンでも有名になりました。
なかでも「釜山港へ帰れ」という楽曲は日本人歌手もカバーして人気を博しています。
■なぜ今トロットが人気なの?
だいたい日本の演歌と同じような歴史を辿っていますが、韓国のトロットは2000年代に入ると再び注目されるようになります。
K-POPアイドル全盛期のころに、なぜトロットが人気を取り戻したのでしょうか。
2004年発売の「オモナ(あらまあ)」という曲が同ジャンルで12年ぶりに1位を獲得し、記録的な大ヒットとなりました。
また、K-POPアイドルグループのSUPER JUNIORは「ロクゴ」を発売し、若いアイドル×トロットという珍しさもあって話題になっています。
2008年はBIGBANGのD-LITEが「ナルバキスン」を発表しますが、日本語版のリリースもあり日本でもヒットしました。
その後はやはり欧米風のK-POPが人気を席巻しましたが、2020年に入るとトロットが再び注目を浴びるようになります。
アイドルからトロット歌手になるパターンも増え、新しく発表されるトロット曲には若い人向けの歌詞やダンスも盛り込まれていきました。
現在のトロットは、時代に合わせて進化を遂げた「ネオ・トロット」として新たなブームを作り上げているでしょう。
■トロットオーディションが話題に
K-POPはアイドルグループのメンバーをオーディション番組で選出したことでも成功しています。
トロットもこのブームに乗り、新人発掘オーディションを開催しました。
優勝した歌手は一躍スターとなり、若い人の間にもトロットというジャンルが浸透していきます。
男性版トロット歌手オーディションでは最終選考に残ったメンバーがアイドル並みの扱いを受けていたとか。
すでに現役のトロット歌手、K-POPアイドルとして活躍しているアーティストがグループを結成し、トロットとK-POPの融合を果たしているケースもあります。
まさに韓国ではトロットブームが再燃しており、今後は日本にもその流れがやってくると考えられるでしょう。
昔懐かしく、哀愁漂うトロットは日本人にもなじみやすい曲調です。
あえて古臭さを残しながら、歌詞やダンスの面白さを際立たせている新曲も見られます。
古いけど新しい、懐かしいけど見たことがない、そんな不思議なネオ・トロットを聴いてみてはいかがでしょうか。