「パキパキ」「シュワシュワ」氷を入れた飲み物から音が鳴る仕組みとは?

冷たい飲み物がおいしいこの時期は、冷凍庫の製氷機がフル稼働というお宅も多いのではないでしょうか?
飲み物に氷を浮かべると見た目はもちろん、グラスに当たる「カラン…」という音が涼しさを演出してくれるのでついつい入れ過ぎてしまいます。
今回は、そんな大活躍の氷が発する音について環境スペースがご紹介しましょう。


■飲み物に氷を入れると聞こえる「パキパキ」

グラスに飲み物と氷を入れると、パキパキと音を発しながら氷にヒビが入ります。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
それは、氷の表面と内部とで温度が変わることで起こる熱膨張差が原因です。
グラスに注がれた飲み物は当然、氷よりも温度が高いです。
そこに氷が触れると氷の表面が温まり、膨張しようとします。
ところが飲み物の温度が届かない氷の内部は膨張する理由がありません。
表面と内部で温度差が生まれ、一つの塊を維持できなくなり、ヒビが入ります。


■そもそもなぜ氷は水に浮くの?

透明な氷が飲み物に浮かぶ様子はとても涼しげですが、そもそもなぜ氷は水に浮くのでしょうか?
それは、氷が水より軽いからです。
通常、液体が固体に変化する際は、分子がくっつきあって重くなります。
そう考えると氷はグラスの底に沈まなければ説明がつきません。
これには水特有の事情がありました。
水素原子2つと酸素原子1つで構成される水は、冷やされると水素結合でつながることで氷となります。
そのため水の粒たちは厳密には密着しておらず、粒同士の間に隙間が生まれるため、体積は増えながらも軽くなるのです。


■炭酸飲料に氷は入れない方がいい?

飲み物の音には「シュワシュワ」という炭酸飲料が出すものもあります。
さわやかな気分になれる夏にぴったりの音ですが、なぜ音がするのかご存じですか?
炭酸飲料とは、液体に強い圧力をかけて二酸化炭素を溶かして作ります。
そのため、温度変化などのちょっとした刺激で二酸化炭素が抜けてしまいます。
「シュワシュワ」は二酸化炭素が抜けてしまう時の音でした。
当然ながら氷を入れることも刺激となるので、炭酸飲料を飲む際は氷を入れない方がいいでしょう。
どうしても氷を入れる場合は、氷を水で濡らして表面を滑らかにしておくと刺激が減るので、炭酸の抜けを抑えられます。


普段何気なく使う氷ですが、実は複雑なメカニズムを持っています。
涼しげな音は多くの状態変化がもたらしたものでした。
冷たい飲み物を飲む際はぜひ、氷の様子を観察しながら楽しんでみてください。