あなたは出せる?「ホーミー」の不思議な音色

モンゴルの歌を聞いたことがありますか?
「ホーミー」というモンゴルの伝統的な歌唱法は、他の国の人では簡単に出すことができない難しいものだと言われています。
今回は不思議な音色の「ホーミー」について環境スペースが調べてみました。


■低音と高音を同時に!?楽器のような声

「ホーミー」は、1人で低い声と高い声を同時に出すという歌唱法です。
低い声はいびきやうなり声にも似たもので、高い声は甲高い鶏や猫などの鳴き声に似ています。
高い声は音楽の旋律を歌うメロディー音、低い声はそのメロディーに重ねるハーモニーのようなものです。
モンゴルの歌にはこのホーミーを使ったものがいくつかあり、伝統的な歌として人々に愛されています。
モンゴルの人でなくても練習することでホーミーを使うことができるようになると言われていて、環境スペースが調べたところ「音楽の授業で習った」という人もいました。


■実はあなたの声は二重だった!?「倍音」とは

ホーミーは低い声と高い声を同時に出す方法ですが、実は私たちが普通に出している声も、同時に複数の音が重なり合って出ているということを知っている人は少ないでしょう。
例えば「ラ」の音を発する時、「ラ」の周波数の他にも、「ラ」の数倍の周波数の音が同時に出ているのです。
この音を「倍音」といい、自然に出す声はいつも複数の音でできています。
しかし、この倍音は人間の耳では感じることができないほど小さく聞こえているので、普通「ラ」に他の音が混じっているとは気が付きません。
ホーミーでは、この「倍音」を大きく発音させることで私たちの耳にも二重になって音が聞こえるというわけなのです。


■ホーミーの仕組みは?声帯で2つの音が共鳴

では実際に、ホーミーを練習してみましょう。
色々とやり方があるようなのですが、環境スペースが最も簡単だと思う方法を伝授します。

①口の中を2つに分ける
まず舌の先を上に向かって丸めます。
上あごにギリギリ付かないところまで舌を近づけましょう。
口の中が舌によって2つの部屋に分かれたイメージです。
この時、2つの部屋は同じ大きさになるように意識してみてください。

②音を反響させる
口の中の空間が2分割されたら、声を出してみましょう。
出そうと意識した音とは別に、それよりも低い音が出ているのを感じますか?
いびきのように、鼻に響かせるイメージで低音を出してみると分かりやすいかもしれません。

男性の方が女性よりも周波数の低い音が出せるので、その分倍音も多く出すことができてホーミーになりやすいでしょう。


ホーミーの不思議な音色のほか、モンゴルには伝統的な楽器「馬頭琴」もあります。
中国やトルコなどにも影響を受けて発展したモンゴルの音楽は、独自の文化を形成しているのですね。