音は水の中でどのように伝わる?

水の中で発生した音はどのように伝わるのでしょうか?
実は案外知らない人も多い、水中での音の伝わり方について環境スペースが解説します。


■水の中では音の速さが変わる?

水の中は音が伝わりにくいイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし実際は逆で、空気中よりも音が速く届きます。
その差はなんと約4倍もありました。

◎空気中:1秒間に約340m
◎水の中:1秒間に約1,500m

普段よりも4倍の速度で音が聞こえてきたら戸惑ってしまい、理解するのに時間がかかりそうですね。
クジラやイルカなどの水中で暮らす生き物は、鳴き声によってコミュニケーションを取っています。
音の伝わりが速いので遠くにいる仲間ともスムーズな意思疎通ができるようですよ。


■水の中で拍手をしても聞こえない?

この夏は海やプールに行ったという人もいるでしょう。
水に潜っている相手に合図をする場合はどうしていますか?
水中で拍手をしても相手は気付かないかもしれません。
音の伝わりは空気中よりも速いはずなのになぜなのでしょうか?
それは、「抵抗」の大きさが違うからです。
空気中に比べ約800倍もの抵抗がかかる水中では、すべての動きが緩慢になります。
自分では拍手をしているつもりでも、実際にはゆっくりと手を合わせているに過ぎません。
結果的にとても小さな音しか出ないため、相手に伝わらないのです。


■水の抵抗を上手に利用したのが「水泳ダイエット」

しっかりと効果が出ることで人気なのが水泳ダイエットです。
空気中に比べ抵抗がかかるので、少しの運動量でも大きな効果が出やすいといわれています。
泳がずに水中をゆっくり歩くだけでも大きくエネルギー消費ができるほか、水中では浮力を受けるのでヒザや腰などへの負担がかかりにくいのも人気の理由の一つでしょう。
水圧によって血流が良くなり、むくみの改善にも効果が期待できます。


■水中で音が聞こえたら注意することとは?

プールで泳いでいる時に音が聞こえてきたら、どんなことに注意したらいいでしょうか?
水中では普段よりも速いスピードで音が伝わるため、音の発生源を正しく判断できない場合があります。
衝突事故などを防ぐためにも、水中で音が聞こえてきたら必ず目視で音の発生源を判断するように心がけてください。


水中では空気中に比べると約4倍ものスピードで音が伝わります。
音が聞こえたと思った時には、すぐ間近で問題が起きているかもしれません。
「おそらくこっちだろう」と安易に判断せず、必ず目で見て確認しましょう。