耳に伝わる音は2つある!?声と耳の秘密

録画したビデオを見ている時、「あれ?私ってこんな声だったっけ」と思うことはありませんか?
自分の耳で聞いた声と、録音した声では少し違って聞こえることがあります。
これはどうしてでしょうか。
今回は環境スペースが、声と耳の不思議な関係を解説しましょう。


■声を聞くってどういうこと?骨を伝わる音とは

まず、録音された音声を考えてみましょう。
あなたの声帯から発せられた音は、空気中を伝わり、録音されます。
あなた以外の他の人の耳にも同じように空気中を伝わって音が届き、あなたの声として聞こえています。
では、自分の声を聞く時はどういう仕組みになっているのでしょうか。
声を出すと、空気中を伝わって自分の耳に音が届きます。
この音は「気導音」といい、録音された音や他の人の耳に届く音と同じものです。
しかし自分の声を聞く時、この気導音と一緒に自分の頭蓋骨を伝わる音も聞こえてきます。
この音のことを「骨導音」といい、気導音と同時に耳に届きます。
つまり、あなた以外の人の耳にはあなたの声だけが、あなたの耳には自分の声と頭蓋骨を通る時の音の両方が聞こえるということです。


■自分の本当の声は聞くことができない!?

あなた以外の人の耳や、録音機にはあなたの本当の声だけが届きます。
しかし、あなたが聞くことができるのは自分の声と、頭蓋骨を伝わる別の音の両方です。
純粋なあなただけの声は、あなた自身は聞くことができません。
録音された音とあなたがいつも聞いている音が違うため、違和感を覚えるのでしょう。
よく「自分の本当の顔は見ることができない」と言われることがありますよね。
鏡越しに自分を見ることはできても、他人からどう見えているか、本当の自分の顔は知らないという考え方です。
声も同じように、本当の自分の声だけを聞くことはできません。


骨伝導イヤホンとは?周りの音がちゃんと聞こえる!

骨導音が聞こえる仕組みを利用した「骨伝導イヤホン」というものがあります。
これは頭蓋骨に伝わる音を、耳の内部に直接届けるというアイテムです。
イヤホンが振動する部分をこめかみ付近にくるように装着すると、耳をふさがなくても音楽を聴くことができます。
普通のイヤホンをしたまま外に出ると、耳をふさいでしまうため車や信号の音が聞こえなくて危険です。
骨伝導イヤホンなら周囲の音が聞こえるため、屋外でのウォーキングやトレーニングでも安心して使うことができます。


本当の自分の声は聞くことができないと言いましたが、録音された声は本当の声に近いものです。
録音機器の性能によってはかなり純粋な音に近いものが録音できるので、違和感がないかもしれませんね。